月曜日, 4月 09, 2007

進化しすぎた脳

 週末、理研で池谷裕二さんのセミナーを聞いた。池谷さん著書、「進化しすぎた脳」を今週ずっと読んでいたので、だいたいセミナーの内容は予想できたが、予想以上に面白かったし、ちゃんとしていた。脳の自発活動に注目して、大脳生理学の手法で海馬などの神経回路を調べているのだが、実験の人とは思えないほどシステムとしての脳のとらえ方を意識した研究をしていた。特に、「構造+ホワイトノイズ=機能」という考え方は、自分もぼんやりとそう考えていただけに納得させられた。実験では詳細な記述は得られるが、得てしてシステムとかダイナミクスの視点が抜けていることが少なくない。「脳をわかる」とは何なのかを自問自答しながら、自分なりのアプローチでそこに迫って行く、その池谷さんの姿勢はとても好感が持てた。僕は、オリジナル論文が1本出たばかりのまだまだの駆け出し研究者(次号のArtificial Lifeに載ります)。優秀な研究者を目の当たりにして、負けずにがんばろうとポジティブなモードになった。

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