月曜日, 5月 26, 2008

マスコラボレーション

 ウィキノミクスという本を読んでいる。ウィキノミクスとここで呼んでいるものは、次の4つが伴ったWebの使用が創造する新しい知の在り方のことだ。
  1. オープン性
  2. ピアリング
  3. 共有
  4. グローバルな行動
マスコミュニケーション(マスコミ)が一方通行の情報の流れであるのに対して、ウィキノミクス的な世界では、すべての参加者が能動的な情報の受信者かつ発信者であり、マスコラボレーションが成立する。現在、あらゆるものがオープンになり、ユーザーによって新しい価値が生成される様は、
  • Wikipedia みんなで作る現在進行形の辞典
  • Wikibooks みんなで作る現在進行形の教科書
  • Wikiversity みんなで作る現在進行形の大学
などを見れば一目瞭然だ。
 さらに、最近は大学もこの流れに乗ろうとしていて、東大もMITもいくつかの講義(と講義資料)を公開しており、無料で見ることができる。
ただし、どう見てもWikiシリーズと比べて、しぶしぶ感がするのは否めない。苦労して準備した講義資料をただで配るよりも、教科書にしてお金を稼ぎたいというのが教員の本音なのだろう(ちなみに、僕は講義資料をすべて公開している)。アカデミックの世界にもウィキノミクス的な風が吹くかどうかは、興味深いところだ。情報を囲い込むのではなく、公開することで不特定大多数とのコラボレーションの道が開け、それによって自分もみんなもハッピーになる、そんな知の在り方が今生まれつつある。

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